人恋しくなったときは、遠慮なく誰かのところへ飛び込めばいい!幼い頃は自分達よりも圧倒的に目線が上だったサガも、アイオロスも、今はほとんど変わらぬ位置にいる。あの頃は足から腰にかけてまでの部分にしか抱きつけなかったのが、今はきちんと肩まで抱けるのだ。
大人になっても独りが寂しくなくなるわけじゃあない。261年も生きた筈の老師ですらそう言った。これはもう間違いない!俺は確信している!13年振りに十二宮に全員揃った!カミュは既に心得顔だ。流石は我が親友。アイオリア、お前もこっちに来るがいい!
いつまでたっても甘い誘惑には負けるだろう。芳しい匂いと食欲をそそる見た目、大人になっても好きだろう。だがいつまでも餓鬼みたいに釣られてフラフラしてはならない、俺とて見境なく誘われているわけではない!
(話の主旨が変わってますよ)
そうだ、別に菓子の話をしていたのではなかったな。ならばムウ、お前もこっちだ。嫌な顔をするな。アルデバラン、勿論こっちに居て構わん。シャカ……どこへ行った!
またいつ何が起きるかわからないこの世界で、この激動の聖域の中心で。思い立ったらやるしかない。これは13年前からの教訓だ。今日のギリシャは晴天だ。走れ!
「サガ!!!アイオロス!!!」
2×5の圧力で、十二宮の階段を転げ落ちる三秒前の私達
あたたかさを抱き締めた
とっても短い
多分近くで年中組が顔をしかめて『何してんだ?』っていう
年少が年長に甘えたらいいよと思ってかいてた
ミロが可愛くてしゃーないです
愛、というものがどういうものかは、全くわからない。だが、こういうのを愛と呼ぶのだろうか、と思うときはある。例えば、サガを全肯定したくなる瞬間。例えば、ミロの側に居てやりたくなる瞬間。女神が微笑む、瞬間。
カノンには、サガも、ミロも、女神も、自分の中で特別だろうという自覚がある。それぞれで“特別”の定義は大きく違うだろうが、カノンはそれを区別できる言い方を知らない。ただ、愛しているのではないか、と思う。愛がどういうものかはわからないが。
区別できる言い方はなくとも、カノンは三人を“特別”の中で自動的に振り分けていた。優先順位なんかはそうだ。勿論、女神>サガ>ミロ、の順である。だがこれは別に愛の大きさではない。女神を一番上にもってくるのは聖闘士としては当然である。サガは優先してやらないとすぐに機嫌が落ち込む。ミロはちょっと予定が狂って約束が反故になっても、そんなことをいちいち気にするような奴ではない。大体そんな感じである。
其処まで考えて、ならばこいつは何なのだろう、とカノンは首を捻った。“こいつ”とは、ラダマンティスのことである。
ラダマンティスとの関係は、愛を表現するよりもっと難しい。当然女神のように敬愛心があるわけではなく、サガのように身内でもなく、ミロのようにわかりやすく“友人”となる切欠があったわけでもない(心中は確かにしたが)。つまるところ、よくわからないのだ、関係だけでなく、ラダマンティスという男のことすら。
ぐるぐるぐるる
ここまで考えて飽きてしまった。素敵なラダカノを読んだあとの衝動だった気がする。
ラダカノってなんなんだろうね。多分本人たちが一番わかってないよね。
おれは、お前にこれ見よがしに誘われたって、扇情的な目で見られたって、舌を入れて口付けをされたってお前に食らいつくことはないが、お前が呆けて髪をかきあげたり、手足の爪を切ろうとしたり、リモコンを片手にテレビの前で欠伸をしているのを見ると無性に触りたくなるのである。これは何の因果なのだろうか。
偏った欲求不満
私、カノンは吉くないと思っているのですが、敢えて吉さをあげるなら健康体であることかなと思います。サガの吉さって、この世のものではないような美しさというか、ちょっと私の弱い頭ではうまい言い方が思い付かんのですが、そんな感じなんだけど、何処までもカノンは俗っぽいってとこに敢えていうなら吉さがあるかなと。胡座かきながら夢中なってPSPやってたら突然「やりたくなった」とか言われて「はぁ!?」みたいな。何に欲情すんだか俺もうわからん!ってなると思う。段々おれのラダマンティスがおかしい人になっているぞ…。
ちなみに、ミロはわかりやすく吉いと思います。てかこれ何の話
全身かすり傷だらけの黒山羊さんは、珍しく目から大粒涙を流しながら俺に向かっていいました。
「クソ悔しい」
普段、黒山羊さんはそんな俺みたいな言い方しません。
ああそう、悔しかったの、と。俺は頭を叩いただけでした。慰めてるつもりだったのですが、黒山羊さんは俺の肩をぎりぎり掴んで地面に涙を落としました。
蟹さんと黒山羊さん
ちょっとまたかくかもしれないこれ。
年中は三人セットで好きなんですが、蟹と魚、蟹と山羊というように、でっちゃんが間を取り持ってる感じも結構好きです。どう考えてもアフロとシュラってほっといたらお互いのこと知らないままっぽいじゃないか。知り合ったからこそ二人でも喋るけど、みたいな。
でも年中組って友達になったのはやっぱり強い共犯者感だと思う。普通にしてたら友達なんてなってないだろ。
※なんかちょっと身も蓋もない話です。カノミロ
カノンはミロを所謂、性的な対象として見たことはないが、ミロを愛する一環としてミロに触れることは度々あった。ミロも(人からされるのは得意ではないようだが)別段それを嫌がったことはない。だがカノンは、触れたあとに必ず小さく後悔をした。そのたんびにもう二度としないと決めて、数日後にはまた繰り返している。うんざりする話だ。ミロがそのことを全く意に介さないのも、心底うんざりする話なのである。カノンの心中なんぞミロが知るはずもないから当然なのだが、それを伝える術が見つからない、また愛しているということを伝える術も他に見つからないので、多分また繰り返す。何かがずっと矛盾していた。頭が痛い。
不伝心
私のカノミロは健全傾向ですが、何か突然変なカノンが降臨するときがあります。別になんてことはない、ただミロが好きなのを持て余してるだけです。
多分カノンがミロに持ってる感情って友情とか親愛みたいなものなんだと思う。ミロは大してそういうこと考えないのでわかりません。単純に友達だと思ってるかもしれません。
※かいてるうちになんかむっちゃ恥ずかしくなりました。ラダカノ
肩から手を滑らせて、上腕を通り手首を撫で上げ、手のひらへと辿り着く。そこから伸びる五本の指に、ひとつひとつ丁寧に触れて、長い中指にキスをした。カノンが笑う声がする。
「なんだお前、そこ好きなのか?」
俺はそこは何かちょっとこそばゆい。笑ったのはそのせいらしい。カノンの、骨ばってかたい大きな手は、大した力を込められずこちらに投げ出されている。
「嫌か」
「別に?」
何故かカノンは楽しそうだった。俺はそのままカノンの指先を口に含んだ。舌で舐めると、またカノンがけらけら笑うから止められなくなる。おれが好きなのはカノンの指ではなく、カノンの穏やかな表情である。
ゆるるやかな温度
あ、誤字じゃないですよ。
手が好きなんです。ラダマンが、というより私が。手とか足とか腹とか、そういう生々しいところが好きです。吉をするときにはあんまり関係がなさそうな部分。
なんだろう、最近こういうところに行き着きつつあるうちのラダカノ。危ない、危ないぞ。
俺は全てにおいてサガに劣っているという自覚があった。なのに俺は、絶対サガに見放されることはないと信じていた。そう、また苦い昔話である。
そうやって俺が信じていたことなんて大体全部間違いだったのだが、サガから見捨てられる可能性について考え出したのは何時からだろうか。もう幾ら泣き喚いても無駄なのだと悟ったときだろうか。
「俺なんていなければよかったって思ってるだろ」
昔は『そんなことない』と返した口はもう何も発しなかった。ただ、憐れみの目だけが俺に突き刺さる。後で知った、サガの憎くて堪らない射手座のアイオロスの、弟が、獅子座の聖闘士候補になったのだと。
俺に価値はなくなった、と幼心に衝撃を受けたことを覚えている。同時に俺はもう何ものからも自由であった。サガから必要とされなくなったらこの命も、体も心も、力も全て自分のものに違いなかった。
だが俺は、その時の解放感を思い出すと今でも焼けるように喉の奥が痛むのだ。昔話なのに、苦いだけの昔話なのに、なぁ?
自由と孤独
多分、「双子依存症」の方と同じ感じで。
カノンの話を書くときは何時もNGワードを気にしてます。カノンが多分、一番強く思ってるだろう、けど決して口にしようとはしないだろう、ある事を全て示唆させる内容でありながら絶対にそれを明記しない、ということです
何故かというとそれは、私が常に思っていることで多分誰もが思うことだろうと。それをわざわざ口にするのもどうよっていう。私は何時かそう思わなくなれるようになったらいいと思うしカノンは多分いつか絶対にそうなれると思う。ううんまたもや何の話だ。
やっぱりどこか思想面が強いのだろうか。
※特に今までの流れに関係のない、ラダ→カノ話です
酒は怖い。飲めばその魔力で何を口走るかわからない。目の前でサガだとかミロだとかアイオリアだとかアイオロスだとか色んな名前が羅列されて頭がもやもやした。喉の奥が熱かった。有らぬ幻聴すら聞こえてくる気がしてぐるぐるした。から、
「好きな人がいる」
何か、大きく血迷った。勿論向こうはびっくりして目を丸くして、まじで、と呟いている。
「あー…でもそうだよなぁ、お前も男だもんな。好きな女の子のひとりやふたり、居ても全然おかしくないよなあ」
「…ふたりは、駄目なんじゃないか」
「細かいこと気にすんなよ」
酔いが回っているのだろう。わざとらしく顎に手を当てて唸っている。
「片思い?」
肩が大きく跳ねてしまった。返事をし損ねる。すると向こうは沈黙を肯定と取ったらしい。
「お前奥手そうだし、クソ真面目だし。そんな事だろうと思った。女にはヒドいことできないタイプだろ」
「…そもそもあまり近くに女が居たことがないな」
「ははは、カイーナ男臭いしなぁ」
テーブルに肘をつき、目を細めてけらけら笑う。反して自分はずっとポーカーフェイス気取り。上手いこと表情が作れない。
「でもお前、仕事できるし料理できるし、甲斐性もあれば面倒見もいいし。全然自信持っていいんじゃないか?好かれてる奴は幸せ者だよ」
まぁちょっと堅物だけどな、と余計に一言付け加えてグラスに口をつけた。しかし新鮮な話だと面白おかしそうにしている。またも羅列されるサガ、ミロ、アイオリアにアイオロスに、カミュデスマスクアフロディーテシュラアルデバランムウシャカアイザックイオバイアンクリシュナカーサ云々かんぬん………
「カノン」
頭がもやもやする。水をふっかけて冷ましたい。酒は怖い、その魔力に負けて色んなところのネジが飛ぶ。それでもポーカーフェイスなのは、こういう時にどんな顔をしていればいいのかがわからないからだ。
「好きだ」
「うん、俺もお前のこと好きだぞラダマンティス」
ほら、何を口走るかわからない。ネジが飛んでいるから、お互いにそれを理解する能力も足りない。
恋愛コラプス
ラダ→カノが面白いなぁと。健全で可愛いじゃないか。でも俺、ラダ→カノだったらカノミロも無さそうだなと思っている。なのでこれはネタ、ネタ以外の何物でもありません。
カノ→ラダだったら、校舎の屋上で「ラダマンティスー!!好きだー!!」とかやっちゃう感じだと思う。つまりカノンが鬱陶しい。ちょっと引くぐらい素で変態発言をする。ただカノ→ラダでもカノミロは無いな、と思う。
つまるところ、カノンのキャラが90°ぐらい変わっちゃうんだと思います
許されざる罪について、神が許さず、また人も許さずとしても、私だけはずっと貴方の味方でいよう。貴方を許そう。その覚悟は今更こうして確認するまでもなく、とうの昔にできていた。いつのときであれそれが覆ることはない。ない、ないが、貴方を許す存在が私ではないことも十二分に知っている。私はただひたすらにそれが憎く、忌々しく、腕が疼く。だがそれが私の姿なのだ。私は光にはなれまい。ただ、闇に身を潜めるだけである。
潜伏する信愛
知ってるのに覆せない。アフロディーテに限らず、みんなきっとそんな感じなんだろうなぁ。サガ←アフロに関してはもうどこまでも純粋な信仰でいいと思います
理不尽というものを無くして、私は物語をかくことはできないのだと気付いたのは一年前だったような。結構最近だ。
「ああカノン、私の不肖の半身よ。たった今気付いたよ、お前はアイオロスに似ているなぁ。いや、アイオロスほどうまく頭が回る奴じゃあなかったか。だが、存外に狡猾だ。そうして私の自尊心を傷付ける。
ああ、何故お前達二人は私の近くで生まれてきてしまったのだろう。不可解だ、実に不可解だ。だが安心しろカノン、お前はアイオロスに似ているが、私の顔を持って生まれてきた。それに免じて私はお前のその尊大な態度を許してやろう。金輪際、私の目を盗んで宮を飛び出すなんて愚かなことは考えるなよ。誰かに姿を見られなんぞしたら、それだけで私の立場が危ういではないか。はは、…お前はアイオロスだから誰かに見つかるような馬鹿な真似はしないか。はは、はははははは…
…どうしてお前も一緒だったのだろうなぁ…
私一人でも良かったではないか、どうせ聖衣はひとりしか継げんのだから……私一人でも善と悪を…神と悪魔を演じることは可能ではないか…
なぁカノン、アイオロス、私の為に消えてはくれまいか。カノン、今ならまだ、お前がこの世に生まれてきた証を何ひとつ残さずお前を消すことができるのだ。アイオロスは無理だが…あれは上から泥を塗ればよい、そういうのが似合いの男だよ。
…ああ、そろそろ時間だ。
まだまだ言い足りない、私は退屈なのでね、いつも色んなことを考え、記憶しているのだよ。続きは、次に会ったときにお前がまだ生きていたら告げることにしよう。ではご機嫌よう、私の不肖の半身。
…いや、もう私にお前は必要なかったな」
闇との邂逅
黒様降臨。
色んな黒様像があると思いますが、私は地味にカノンは黒様がトラウマだったらいいなぁと思っている。教皇時代の十三年間、黒様は間違いなくカノンの存在全否定だと思う。いないものとして扱ってるっていうか。多分少しずつ、少しずつサガの中から存在を排除して、カノンが居た場所に黒様が居座ったのかなーと。で、黒様がちょいちょい覚醒するたんびにカノンを滅茶苦茶詰ればいいなと。