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ラーメン
天蠍宮で飯、と言ったら必ず出てくる発泡スチロールの容器。沸かしたお湯を差し出されて、ほらこれお前の分、とか。はじめて出されたときはかなり戸惑った。
なんだこれは。
薄い紙蓋を開くと、なんかうねうねしたものがひとつのかたまりになっていて、それと一緒にねぎやらたまごやらもカチカチに固められている。
なんだこれは。
驚愕して向かいのミロを見ると、鼻歌うたいながらその容器にお湯を注いでいた。少し目線を左にずらすと、既にカノンが中身を貪っていた。
カノンが口にしているものは、明らかに自分の手元のものが柔らかくなったもの。そして渡されたお湯…。意を決して自分もミロと同じようにお湯を注いでみた。しかし直ぐにはかたまりがほどける様子を見られなかった。見ると、容器の側面に「お湯を注いで蓋を閉じ、三分待ってください」と書かれている。待った。大人しく待った。
聞けばそれは実に有名なインスタントラーメンの類なのだそうだが。ボーダーレスだかフリーダムだか、単語の意味はわかるか使われている状況がいまいち理解できない英語で兄から説明を受けた。そうか~リアはカップヌードルを知らなかったのか~としみじみ言われ、なんとなく面白くない気分になりながらも。
天蠍宮にいけば、やはり昼飯は発泡スチロールの容器。
すっかり食べ慣れてしまったそのカップヌードルとやら。別に大した食料でもなく、調理時間はたったの三分。街のスーパーにいけば安い値段でひとつ買える。そんなものなのに。案外これが美味くてときどき無性に食べたくなる不思議。そんなものを感じながら、今日もお湯を注いで三分待つ。