慰めの言葉を知らなかった。いたわりの証を知らなかった。誰かに情を持つとはいかなるものにやあらん。まだ幼い瞳を固く閉ざして、またひとりの世界にて悩む。
間違うことなど本当はいくらでもあって、そのたびに人は学び、成長していくのだとしても。取り返しのつかない間違いはいかがはせむ。まだそんな間違いを犯さないうちから尋ねていたのは、子供だったからだ。
「君、何を泣いているのかね」
初めは上手く会話に持ち込めるように。次は深い部分に触れないようにしながら親身に聞き手にまわり、最後は受け入れて意見を渡す。…なんて順序だてても所詮はつまらない茶番劇だ。
「アイオロスが死んだことかね?それともサガが行方不明になったことかね?どちらにせよ、君が嘆き、悲しむのはお門違いというものだよ。君がしなくてはならないことは、そんなことではないはずだ」
「…そんなこと、だと!」
小さな獅子は、吼えた。
「お前にはわからないだろう!」
ああ、今日も失敗したか。やはり実感の伴わない慰めなどするものではなかったのだ。例えば百万の言葉をその頭で覚えても、いたわりの証を持たねば何の役にも立つまい。そこまで冷静に自分の行動を分析しながら、もう幾日も間違えているこの状況は、きっとただ、凄まじく暗闇だ。
しかしこれはもう、必然に違いなく。問うても問うても答えが神仏から貰えるわけでもあるまいにと、今日もまた目を閉じる。身も心も幼いとはなんと愚かな話か。
(けれど私はあの獅子のように、悲しんだりはしないのだ)
欠落したもの
シャカだよ!
これはどうなのかなぁと思いながらも、とりあえず乙女座論。負の感情の欠落だそうで。しかし正の感情には非常に大きく反応を示すようで。うん、確かにシャカっぽいなぁ